コストパフォーマンスの高いラジカル塗料について
2022/03/28
ラジカル塗料は合成樹脂を劣化させる因子「ラジカル」を制御する事でチョーキングの発生を抑制し高い耐久性を発揮します。
日本ペイントの「パーフェクトトップ」が発売された後は、
その高いコストパフォーマンスにより、外壁の塗り替えに採用される機会が増えました。
ラジカル塗料とは
有機物を劣化させる因子「ラジカル」を制御する事からラジカル制御形塗料とも呼ばれます。
塗料は多くの場合主成分となる樹脂の種類によって分類されています。
ところで、ラジカル塗料はこのような成分ではなく、
合成樹脂を劣化させる「ラジカル」を制御する事から、このように呼ばれています。
現在塗装工事で用いられる塗料は「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」が主。
塗料についてもう少し知りたい方は「塗料の種類について」をご覧ください。
これら樹脂を冠する塗料の中に「ラジカル塗料」が数えられ、塗り替えの際の選択肢の一つとなっているのです。
塗料は塗膜を形成する事で防水機能を発揮し、外壁その他の素地を保護します。
「ラジカル」は塗料に含まれる白色顔料の主成分である「酸化チタン」内で発生し、拡散される物質です。
この物質は有機物を攻撃して分解する性質を持ち、塗膜劣化の原因となります。
そこで「高耐候酸化チタン」と「光安定剤」を配合し、ラジカルを制御するのがラジカル塗料です。
高耐候酸化チタンは酸化チタンの表層に「発生したラジカルを閉じ込める」ためのバリアー層を持ち、
光安定剤が発生したラジカルを捕まえるという補完関係にあります。
要はできる限り発生させない、発生しても捕まえるWの効果が塗膜の耐久性を向上させるわけです。
ラジカル塗料の特色
1.塗膜の劣化を示す「チョーキング」の発生を抑える。
ただし、白色顔料に対して効果を発揮するという性質から黒系の「濃色」を選べない事があります。
そもそも濃色系の塗料では白色顔料自体が含まれないかほとんど含まれないため、チョーキング云々の話にはなりません。
2.コストパフォーマンスが高い。フッ素塗料にはやや劣るが高耐久であるため費用対効果が高い。
3.各メーカーのラジカル塗料のうち最初に発売された日本ペイントの「パーフェクトトップ」が2012年。
他のメーカーだとそれよりも年数が経っていないため、実績としてまだ十分とは言えないかもしれません。
多くの建材がそうであるように、実績として目に見える形でその効果が実証されるのが待たれます。
各メーカーのラジカル塗料
【日本ペイント】
パーフェクトセラミックトップG(2液水性)、パーフェクトトップ(1液水性)、パーフェクトトップローズ(1液水性)、
ファインパーフェクトトップ(ターペン可溶1液)
【関西ペイント】
アレスダイナミックTOP(水性反応硬化)、アレスダイナミックMUKI(1液水性)、アレスダイナミックTOPマイルド(弱溶剤1液)、
アレスダイナミックMUKI(弱溶剤2液)
【エスケー化研】
エスケープレミアムシリコン(1液水性)エスケープレミアムNADシリコン(弱溶剤1液)、エスケープレミアム無機(1液水性)、
エスケープレミアムシリコンBIO(1液水性)
【菊水化学】
キクスイロイヤルシリコン(水性反応硬化)
【ロックペイント】
ハイパービルロックセラ(1液水性)
【水谷ペイント】
ナノコンポジットW(1液水性)