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良質な塗り替え工事を行うための養生の秘訣

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良質な塗り替え工事を行うための養生の秘訣

良質な塗り替え工事を行うための養生の秘訣

2022/05/06

塗装工事の仕上がりの良し悪しは「養生」によって決まると言われます。

では美しい塗装、良い仕上がりとはどんなものなのでしょうか。

  1. 艶が十分に出ている・・・艶消し塗料には当てはまりませんが、それでもしっかりとした手順に従って塗られるた塗膜は見目麗しい。艶有塗料だと塗布量や希釈量も影響します。薄塗だと十分な艶が出ません。希釈量が多すぎるとこれまた艶が引けます。決められた希釈率、塗布量を守って塗装するのが最低条件です。かと言って変に厚塗りしすぎれば「ダレ」ちゃいます。
  2. ラインがしっかり出ている・・・塗装の境目、端部のラインを見切りと言いますが、その見切りがまっすぐに出ている事。見切りが悪いと、見た目もイマイチです。まっすぐなライン出しが見映えを良くするのです。
  3. ムラがない・・・塗装にムラがあってはとても美しい仕上がりとは言えません。塗料の乾く速度、塗り方の順番を考えないと、ムラが出たり、変な筋が入ったりします。ローラー塗りではどのていど塗料を含ませるか、ローラーでの塗料の配り方も重要です。一口で言えば経験と「腕」が大切なのは言うまでもありません。
  4. 塗装の順序を考え、合理的かつ綺麗な養生を行う・・・建物全体を塗り替える場合、箇所や下地によって塗料や色を使い分けます。全色同じならそれほど考える必要なないのでしょうが、実際に1色で全体を塗るなんて事はありません。となると、塗装の順序に従い、適宜養生を行う必要があります。養生は非塗装部分のみならず、「これから塗る」あるいは「すでに塗った」箇所にも行うものです。手間を惜しまず、適切に養生する事で仕上がりも良くなります。

養生とは何か

そもそも養生とはなんでしょう。

塗装に限らず、シーリング工事や防水工事その他の工種でも行われます。

塗装工事だと、養生とは

「施工する箇所以外を工事による影響を及ぼさないよう保護する事」「現状を維持できるような対策を施す事」と言えるでしょう。

塗装工事に限定したのは理由があります。

上記シーリング工事や防水工事ならほぼ似た意味合いですが、

例えば基礎や地業工事、コンクリート工事などでは多少意味合いが異なるからです。

例えば捨てコンクリートの打設では

「コンクリートの水分が著しく脱水される恐れがある場合に、ビニールシートやクラフト紙を敷いて、コンクリートを打設し、

打設したコンクリートが急激に乾燥すると、コンクリートにひび割れが入るので、シートなどで覆うか散水など適切な養生を行う」とあります。

この場合保護する対象はコンクリートとなり、コンクリートが固まってしっかりと強度が出るまでの期間保護するという意味となります。

養生が「施工対象外」の物に行われる事もあれば、「施工対象」に行われる事もある。

また、工事による歩行や搬出入作業で床や壁、動線にあるあらゆるものが傷つかないように保護する目的でもなされます。

蛇足になりますが、「水」を用いた養生も存在します。

タイル洗浄などでサッシや金具が薬品焼けしないために行う「水養生」は

薬剤が飛び散ってもサッシ類などが痛まないように水を流しながら作業する事です。

このように建築工事において養生を行わない事はほぼないと言えます。

そして、この養生が工事の品質を左右するという事も忘れてはなりません。

良質な塗り替え工事を行うための養生の秘訣

  1. テープ類はしっかりと密着させる・・・養生では各種テープを使います。種類としてはマスキングテープ、ガムテープ、パイオランテープの3種類ほどですが、幅の広さ、接着力の強さで幾通りもの組み合わせがあるため膨大な製品群となります。これらテープの接着が甘いと、塗料が差し込んできて、保護対象に塗料が付着したり、見切りラインが凸凹になったりします。爪を立てたり、ヘラなどの先端が細いものを用いてしっかりとくっつけます。塗装現場では軍手が必須です。特に塗装では軍手が汚れやすいため、休憩や食事のたびに交換するくらいの勢いで使います。そして・・・、養生の時には指先の部分を切断し、軍手から指先を出して養生する強者(つわもの)までおります。
  2. マスキングテープなどを使ってライン出し・・・綺麗な一直線のラインは仕上がりを綺麗に見せます。このライン出しこそ養生に完全に依存すると言って良いでしょう。既存のラインが凸凹してるなら、少し逃げ気味に(少し距離を置いて)テープを貼り、新しい見切り線を出します。斜めったりする事なく、綺麗にテープを貼る事が、綺麗なラインを出す秘訣です。
  3. 捨てテープ・・・美しいライン出しのために二重にテープを貼る事もあります。フィラーなどの厚みの出る下塗り材を使用する時(特にパターンを付けるときなど)は仕上がり用のライン出しテープに被せるようにして捨てテープを貼ります。重ねる方のテープがはみ出ているのがミソです。こうする事で、下塗り終了後「捨てテープ」を取ると、仕上げライン用のテープの少し手前で下塗り材のラインが止まっているため、そのラインごと仕上げ材を塗れば、完全に下塗り材が見えない状態で仕上がります。テープ一枚だと、下塗りも仕上げ塗りも同じラインで統一され、塗料の厚みが「層になった状態」で仕上がり、結構みっともないのです。
  4. 床や土間の養生は厚めで滑りにくいものを・・・塗装中は塗料が飛び散るものです。飛散しにくいローラーなどもありますが、そうは言ってもまったく飛散しないというわけには参りません。すると、工事中最も汚れるのは地面(土間)という事になります。小粒、大粒、多種多様な塗料が落下します。地面は作業に当たり歩行するものです。薄ければ歩行により破れ、養生の意味がなくなります。まして、雨が降った翌日などは水たまりができてしまう。破れた個所から塗料の溶込んだ水が地面に染み込んだら大変。ですから、厚手のものを使います。後は、玄関周りや通路など、職人以外も歩行する場所はさらに滑りにくい「ノンスリップタイプ」のものを使います。比較的厚手で滑りにくいものですね。敷地内、地面付近には飛び石や趣のある石など埋まっています。これらに塗料が付着すると後が大変。掃除しても、綺麗に落ちなかったり、薬剤で変色してしまったりします。私たちは最低限、施工前と同様な状態を保つ必要があります。ですから、こうした設置物への気遣いも大切なのです。
  5. 植物の養生・・・外壁塗装をするために、庭木その他の植栽への対処が必要となる事があります。施主さんの方で切りそろえて下さることもありますが、こちら側で養生する場面も多いです。ノンポリシートやノンスリップシートを使って植物全体を覆う場合、壁の外側へ引っ張り気味に固定します。枝葉が壁にくっついている事も多く、少し離した程度では風などで揺れ、塗り立ての壁にくっついてしまう事があるからです。そうなると塗料が着いた部分を切断しなければなりませんし、壁に跡が残ってしまい、仕上がりも悪くなります。
  6. 下位(下方)からの張り重ね・・・ビニールシートやマスカーを貼り重ねる時は、下位(下方)にある側から貼っていき、上位(上方)のビニールが覆いかぶさるようにします。これならビニールの上を塗料が流れても、養生内部に入り込みません。保護対象を汚さないための知恵です。
  7. 養生のタイミング・・・養生が居住者の方にご不便をおかけする事もあります。例えば開口部(窓)を養生すれば、通風が妨げられ、掃き出し窓なら出入りが制限されます。特にバルコニー内の養生をする場合は不必要に長期にわたって養生しておくのは感心しません。これは工程管理にもかかわる事ですが、土日をまたいで窓を塞いでしまえば洗濯物が干せずお困りになるかもしれません。曜日や作業の進み具合を計算しながら、できるだけ負担をかけないような気配りも大事かと。天候その他どうしても掃き出し窓を養生せざるを得ないなら、切り目を入れて出入りができるようにするくらいは当たり前と言えます。リフォームは大なり小なり施主さんにストレスやご不便をおかけするものですが、それでも軽減する努力は必要です。

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