シート防水の種類と特徴
2022/04/27
シート防水
シート防水には幾つかの種類があります
シート防水はウレタン防水と同じく屋上のメンテナンスでよく採用されるにゃ。
ウレタンが現場生成される防水材なら、
シート防水は既製品の防水材という事になるにゃ。
既製品だから品質が均一で、作業性も優れているよ。
室外機や配管などの設置物の多い場所や
面積の小さいバルコニーなどよりかは
がら~~んとした広い場所への施工が向いてるかにゃ。
塩ビ系(塩化ビニル樹脂系)、ゴム系(加硫ゴム系)が東西の横綱って感じで、
その他に非加硫ゴム系、エチレン酢酸ビニル樹脂系、 熱可塑性エストラマー系
なんて言うのもあるよ。
ちょっと難しい漢字が続いたから説明すると、
加硫は「かりゅう」と読み、 熱可塑性は「ねつかそせい」と読むんだにゃ。
塩ビ系とゴム系シート防水
リフォームでよく使われる2種類について説明します
おお!最近なんだか見違えるようじゃの。わかりやすい説明じゃ。
では話を引き継いで両横綱の「塩ビ系」と「ゴム系」について説明しよう。
塩ビは塩化ビニル樹脂の略称じゃな。
耐久性・耐水性・耐薬品性・耐食性・接着性に優れ、難燃性、つまり燃えにくい素材となる。
雨どいや配管などに用いられているのもこうした特徴が評価されているからじゃの。
では防水材としての塩ビシートはどうかと言えば、
素材としての特徴を活かし耐久性にすぐれた防水層を形成する。
また、加熱して継ぎ目同士を接着する事で一体化する事ができる。
ただし、設置物が多かったり、入り組んだ複雑な形状だと不向きとなる。
ゴム系は通常「加硫ゴム系」を指す。
加硫ゴムは弾性を与えるために硫黄等を加えたもので、
伸び縮みをする事で建物の挙動(動き)に追従し、屋外の環境変化に適応する。
耐候性、耐水性、耐熱性に優れ軽量、屋上やルーフバルコニーなどで用いられる。
また、比較的に工期が短く低コスト。
物理的な衝撃で破損する事があり、そうなるとそこから水が入り込み、
膨れたり捲れたりするから注意が必要じゃの。
時々鳥などがつっついて破れてしまったなどの話を聞く事がある。
非加硫ゴム系は加硫をしてないという事で柔軟性はあるが伸び縮みをせん。
また、耐候性や耐熱性に劣るため屋上などの露出防水には不向きじゃの。
工法について
工法については大きく二つ
はいは~い!工法についてはおいらが説明するにゃ。
まずは「密着工法」。ウレタン防水でも出てきた言葉だにゃ。
下地に対して直接貼り付けるやり方だよ。下地とシート裏に専用の接着剤を塗ってペタッと貼る。
下地補修や下地調整といった準備が必要なのもお忘れなく!
こうした張りものを接着させるためにはオープンタイムが必要になるから、
しっかりカタログ等で時間を確認する必要があるよ!
季節によってどの程度オープンタイムを取るか変わるからね。
でっかいローラーを使って転圧して密着させるんだよ~!
下地への接着が甘いと浮きや膨れが起こるから気をつけないといけないにゃ。
転圧の際、シートと下地の間に空気が溜まらないよう、
外側へ空気を出すようにローラーを転がすのがコツだよ。
もう一つが「機械固定工法」。
固定金具を用いてシートを下地に張り付ける工法で、
シートが下地から少し浮いている事から「浮かし張り」なんて言われたりするにゃ。
通気性を確保できるため、下地の状態の影響を受けにくく、
雨漏りしているような場合にも有効。
防水工事だとしばしば悪くなった防水層を撤去しなくちゃいけないんだけど、
工事が完了するまでの間仮防水しなきゃいけない(じゃないとひどい雨漏りしちゃうから)
なんて手間がかかるから、工事中のリスクも考えるとメリットはあるにゃ。
ただ、コストはそれなりにかかるからね。
メンテナンス時期
メンテナンスが必要な目安について
シート防水は張りものじゃ。
従って一定幅のシートで全体を覆うにはどうしても継ぎ目が出る。
実はこの継ぎ目が弱点となり得る。
一枚もののシートじゃと物理的にある程度の衝撃がないと破れない。
ところが継ぎ目は現地にて施したもので、接着不良も起こり得る。
接着剤を用いていれば劣化して接着が切れる事もあるしの。
一旦接着が切れるとあとは劣化が加速することもありうる。
これまでに見たものじゃとシート同士が完全に剥離し、
裏返ったりなんだり凄い事になっておったぞ。
あとは膨れや破断など部分的に不具合が起き、
そこから症状が悪化することもあるの。
防水層は一部だけの不良なら、部分補修で対応できるものじゃ。
膨れやひび割れなどかの。
放置すると大変な事になるかもしれん。
不良個所が拡大すると、躯体へのダメージが膨らみ、
工事内容も大々的になっていく。
当然費用もかさむ。
とは言え、構造的に簡単には屋上に上れないという事も考えられる。
そうなると10年前後の周期でメンテナンスをするという発想も必要かもしれんの。