鉄骨階段ケレン
2022/05/26
とある集合住宅の大規模修繕工事を行っております。
現在足場架設作業を進めつつ、足場のかかった所から作業を進めております。
大規模修繕工事では足場架設に一か月以上かかることがざらにあります。
こうした時、作業する順序によって1工区、2工区、3工区・・・と工区分けを行い、
足場が立ち上がった工区から下地調査→シーリング工事→塗装工事→防水工事と言った具合に順次作業していきます。
ですから1工区の塗装工事が始まる頃には、2工区で下地調査→シーリング工事→塗装工事と言う感じで、
3工区、4工区と同時進行させていき、全体の完了を目指します。
その点共用廊下や階段などは足場がなくても作業できるため、
足場の進捗に関わらず作業を進める事が可能です。
ここで大切なのが施工管理です。
一か月工程表、2週間工程表、1週間工程表と言った具合に
超短期、短期幾つかの工程表を掲示しながら住人の皆様に作業の進み具合、進め方を周知徹底させます。
それに加えて、各工区で各工種がどのタイミングで始めるのかについて「お知らせ」を作成・配布し、
住人の方々にご協力いただきたい点、作業内容、工事について注意すべき事などを告知していきます。
下地調査なら音や粉塵が生ずること、シーリング工事なら施工直後だと触れると汚れてしまう恐れ、
洗浄工事なら水しぶきや汚水に対する注意、窓閉め、洗濯物干しの可否などなど・・・
工種ごとの注意喚起を逐一行うのです。
住人さんのご協力内容としては例えばバルコニー内の荷物移動です。
鉢植えやプランター、椅子やテープル、大きいものだと物置など、
実に種類豊富なお荷物が置いてあります。
こうしたものをいついつまでに移動していただけるようお願いし、
お知らせを配布してもそのまま置かれていれば直接お声掛けをして、
作業ができる準備を整えるべくご協力いただきます。
前記工程表については一か月工程表は天候その他もろもろの事情でかなり変わっていきます。
ですので、月初めに変更点を反映させて翌月のものを作成・掲示します。
二週間工程表ではそれよりは変更点が少ないものの、やはり前週の進み具合によって修正点があれば
それを反映させたものを翌週掲示します。
週間工程表は最も短期の予定となりますので当然毎週作成します。
住人さんにとっては直近一週間の予定こそ最も気になるため、
各工種の職長さんと綿密に打ち合わせを行い、調整し、工程を引きます。
ケレン・清掃作業の様子です。
劣化した塗膜をカワスキで除去し、たまった埃をラスター刷毛で払い落し、
スコッチなどで塗装面全体を目荒しします。
ケレン作業は地味ですが、大変重要な作業となります。
「ケレンとは何?どのようにして行うの?」をご覧いただければどのような作業内容かご理解いただけると思います。
ケレン作業中は埃やケレンかすなどが落下するため、部分的に立ち入り禁止措置を行いました。
鉄部塗装における下塗り材は「錆止め」です。
エポキシ樹脂のような接着性と絶縁性に優れた成分が含まれており、
錆の発生を予防するとともに、仕上げ塗料の密着性を高めます。
当然、塗装面全体に錆止めを塗布しますが、ケレンが甘ければ十分にその性能を発揮できません。
表面に埃が付着したままでは塗料は接着しませんし、
表面がのっぺりした状態だと接着力に不安が残ります。
下地を清潔に保ち、凸凹させるからこそ、塗料の密着力が高まるのです。