ローラーについて詳しく!
2022/05/13
平面の塗装をする際に使うローラーについて今回は取り上げます。
今、外壁や屋根等の塗り替えをする場合は刷毛とローラーを使って作業を進めるのがほとんどです。
吹付け塗装は飛散被害のリスクを考えるとデメリットが多く、
滅多に使われなくなっております。お時間がございしたらブログ記事でご確認ください。
「刷毛(ハケ)とローラーで塗り替えをしよう!」「刷毛(ハケ)について詳しく」
刷毛とローラーの使い分け、吹付け塗装が行われなくなった理由、刷毛の分類などについて記事にしてあります。
ローラーはハンドルとセットで使います。
ローラー差込み口の内径によってそれぞれ対応するハンドルが異なるのでご注意ください。
ホームセンターのようにローラーとハンドルがセットになっているものも便利ですが、
わかるならそれぞれ別に買い合わせる方がより目的に近いセットにできます。
ハンドル自体は種類がそう多いわけではありませんので、
以下ご説明する「内径による分類」をご覧いただければ全然難しくないです。
内径による分類
ローラーは芯の部分が空洞になっております。その為内径によって大きく4種類に分けられます。
- ミニスモールローラー・・・内径6mm前後。単にミニローラーとも言います。隅部や狭い場所で便利。サケツに突っ込んで持ち歩けるので、ダメ込みや塗り物で重宝します。
- スモールローラー・・・内径約16.5mm。種類も豊富で、現場で最も使われる規格です。塗料を含んだ時の重量も負担にならない程度です。毛の長さによっては多少重くて扱いにくい事もあります。
- ミドルローラー・・・内径約26mm。名称の通り、スモールとレギュラーの中間サイズで、かつてはよく使われていたものの、最近はスモールローラーの影に隠れている印象です。塗料を含ませると結構な重さで、使い慣れないと1日の作業が終わるころには手がパンパンになるかもしれません。種類もそれほど店舗に置いていません。
- レギュラーローラー・・・内径38mm。広い面積を塗る際に有用ですが、一戸建てではほとんど使いません。どちらかと言えば、マスチックローラーという特殊なタイプで模様をつける(パターン)際に使う程度です。
サイズによる分類
ローラーはサイズ(長さ)によって割とたくさんの種類があります。
サイズは「インチ」で表し、対象となる素地の大きさに合わせて選びます。
1インチは2.54mm、4インチなら10.16mm、6インチなら16.51mmとなります。
私達業者ならば枠などの線状の対象だと刷毛を使って仕上げますが、
慣れない方だとローラーの方が綺麗に仕上がると思いますので、長さの合うもので塗るといいでしょう。
ローラーの使い方で気を付けたいのが、両端部に出る耳。
耳とは筋と言い代えてもいいでしょう。これは広い面をローラーで塗り継ぐ際に出ます。
こうした耳は塗り重ねる際のちょっとした工夫で綺麗に消せます。
一番いいのはローラーに対して均等に力を加える事。
そもそも力はほとんどいらないのです。
これが変にどこかに力が加わって、端部のどちらかに余計に圧力がかかり、出るのが耳。
そこで、塗り重ね部分の端部をほんの気持ち浮かせるようにすると、継ぎ目がなくなります。
毛の種類による分類
ローラーの素材は細かく分けると結構な種類となりますが、ここでは大きく2種類に分けます。
- ウールローラー・・・毛素材のローラー。一般的な塗装で使うのはこちらです。素材そのものにこだわるよりは、パッケージに記載された内容を確認して下さい。油性や溶剤系で使用できないものなど、対応する塗料について要チェックです!
- マスチックローラー・・・スポンジ素材のローラー。砂骨ローラーとも言われ、模様(パターン)付けに用いられます。
毛の長さによる分類
ローラーの毛の長さによる分類もあります。毛の長さは仕上がりや塗料を含む量に影響します。
- 短毛・・・表面を滑らかに仕上げられます。鉄部など凹凸の少ない平滑面で用いられます。慣れない人だと難易度が高いのが、こうした平滑面の塗装です。筋が出やすいので、力の加え方に注意して塗装する事については前述しましたね。
- 中毛・・・汎用性に優れ使い勝手が良い。塗料の含みも割とよく、仕上がりも良好です。ただ、鉄部塗装では波のような模様が出たりするので、不向きです。表面にある程度の凹凸があるか、吸い込みがある場合に適してます。
- 長毛・・・大面積を塗る場合に用いられます。多量の塗料を含むことができるので、1度にたくさんの面積が塗れます。また、凹凸が大きい素地の深部まで塗る事ができます。その代わり、慣れない人だと重く感じられ、実際手がパンパンになってしまうでしょう。また、綺麗に仕上げる難易度が高めです。
使用後のローラーについて
ローラーは使用後どうすれば良いのでしょう?
我々修繕業者は刷毛であれ、ローラーであれ、使い捨てにする事はほとんどありません。
刷毛ならば1日の作業終了後に水またはラッカーシンナーで洗浄し、翌日以降も使います。
ローラーについても適宜処理を済ませ、翌日以降も使います。
もちろん使用し続ければ摩耗し、やがて廃棄しなければなりませんが、
少なくとも翌日使うくらいは問題ありません。
(ただ、100円ショップで売ってる物だと扱いがないためわかりません。少なくても数百円はするものについてとしてご参照ください)
前述したマスチックローラーなどは丁寧に洗えば何度でも使用できますし、
ウールローラーだって2~3日程度は使う事ができます。
ただし、ウールローラーについては「同じ塗料」を翌日以降も使う場合に限ります。
水性塗料で用いた場合、ハンドルからとりはずし、そのまま塗料の中に沈めておけば大丈夫。
我々業者なら1斗缶のフタに穴を空け、それがバケット代わりなので、
作業終了後は開口部にビニールで蓋をし、そのままローラーをつっこんでおけばOK。
ローラーの先端を下に向けハンドルを容器に打ち付ければ「スポッ」とすんなり抜けます。
この際中の芯がとれてしまえば、残念ながらそのローラーは廃棄するしかありません。
溶剤系塗料で用いたローラーについては少し手間をかけましょう。
水性塗料なら塗料の上に薄く水をはってフタをすれば、数日ならまず固まりません。
けれども溶剤系塗料だと同じく上に薄くシンナーを張れば固まりずらくはなりますが、
固まらないとは言い切れません。2液系塗料なら尚更です。
ですから、塗料内での保管はやめておきましょう。
そこで、「適宜処理」を行うわけです。
ハンドルから外す前に、容器の上で、ローラーの先端を上に向け、
カワスキなどで含んでいる塗料を削ぐようにして落とします。
ローラーの湿り気がなくなりぱさぱさした状態になれば、
それをラッカーシンナーの中に漬けておきます。
こうすればローラーは固まらず、翌日以降も使う事ができます。
次回使う際はしっかりとシンナーを切って、使う前に塗料を含ませ、容器内でコロコロ転がして、
その塗料を切り、また含ませ、コロコロして塗料を切る・・・と言うのを何度か繰り返してから作業を開始します。
こうしないと抜けきっていないシンナーで塗料が薄くなり、変色したりしますのでご注意ください。