タイルの張り付け方について(施工方法)
2022/05/08
タイル張りの外観は今や日本の風景の一部です。
それに伴い大規模修繕工事におけるタイル工事の比率は増すばかり。
今回は「タイルの種類について」に引き続き
タイルにはどのような張り方、施工方法があるのかを解説します。
タイルの張り付け
屋外壁と、室内壁のうち吹き抜けなどの高さが2階以上に相当する部分に、
セメントモルタルによるタイル後張り工法またはタイル先付けプレキャストコンクリート(PCa)工法で施工するタイルには、
裏足(うらあし)がなくてはならない。そして、裏足の形状はあり状とする。
タイル後張り工法は現場でタイルを張る工法の事。圧着張り、改良圧着張り、密着張りその他張り付けモルタルで現場作業で張り付ける。
プレキャストコンクリート工法はタイルを工場においてPCa版のコンクリート仕上げ面に直接先付けする工法で、
天候などの現場環境に左右されず、品質のバラツキが小さく工期を短縮できる。
裏足はタイルの接着を良くするため、裏面に付けたリブまたは凹凸の事を言い、
あり状は先端部分が逆ハの字に幅が広がっている凹凸の事です。
積上げ張りと改良積上げ張り
- 積上げ張り・・・タイルに張り付けモルタルを付け、下から上に一段ずつ張り付ける工法。下地精度をあまり必要としない。1日に積上げるのは1.5m以内。100mm角以上の内装タイル向きで、外壁タイルには不向き。
- 改良積上げ張り・・・下地モルタルを塗り、木ごてで押え下地精度を上げる。タイル裏面全体に張り付けモルタルを平滑に塗り、硬化したモルタル下地面に張り付ける工法。下から上に一段ずつ張り付ける。小口平から四丁掛程度のタイルに向く。
圧着張りと改良圧着張り
- 圧着張り・・・下地に張り付けモルタルを塗り、そこにタイルを張る工法。二丁掛以下のタイル。
- 改良圧着張り・・・あらかじめ施工したモルタル下地面に張り付けモルタルを塗り、柔らかいうちにタイル裏面にも張り付けモルタルを塗ってタイルをたたき押さえて張り付ける。圧着張りは下地のみだったのを、改良圧着張りでは下地・タイル両方に塗るようにしたもの。
密着張り
モルタル下地面に張り付けモルタルを塗り(2層塗り)、柔らかいうちにタイル張り用振動工具(ヴィブラート)を用いてタイルに振動を与え、埋め込むようにタイルを張り付ける工法。ヴィブラート工法とも言う。
モザイクタイル張り
下地に張付けモルタルを塗り付け、ユニットタイルをたたき板でたたいて張付ける工法。
ガラス・貝殻・石などの小片をちりばめて、図案にした装飾物をモザイクと言い、
50cm角以下で作られた小型の陶磁器質タイルのことをモザイクタイルと言う。
ユニット単位で販売されるのが特徴で、そのままユニット張りされる。
多色の組み合わせで、絵や鮮やかな模様を描くこともできる。
マスク張り
50角以上のユニットタイルの裏面にモルタル塗布用のマスクを被せ張り付けモルタルを塗り付け、
マスクを外してから下地面にタイルをたたき押えをして張り付ける工法。
ユニットタイルは施工しやすいように、多数個のタイルを並べて連結したもので、表張りユニットタイルと裏連結ユニットタイルとがある。
表張りユニットタイルは、タイルの表面に表張り台紙を張り付けて連結したもので、施工時には台紙を剥がす。
台紙はしばらくの間水につけておけばつるりと剥がれて取りやすくなります。
裏連結ユニットタイルは、タイルの裏面及び側面を裏連結材で連結したもので、施工時にそのまま埋め込む。