FRP防水の特徴
2022/05/01
FRPはFiber(繊維) Reinforced(強化する) Plastics(プラスティック)を略したものです。
繊維強化プラスチックと訳され、軽量ながら弾性率が小さく強度の低いプラスチックに、
弾性率が大きいガラス繊維などの強化材を混ぜることで強度を高めた素材であり、
運輸機器、浴槽、プール、貯水槽、防水材その他の建材など幅広く利用されています。
FRP防水は軽量かつ強靭、耐熱性・耐食性・耐候性などに優れ、
継ぎ目のない防水層を形成し建物を保護します。
また、硬化が早く何層か重ねる場合にも1日~2日の短期間で完了させることができる作業性の良さを持っています。
車両の走行にも耐えられる重歩行性により屋上駐車場で採用されたり、
優れた耐水性・耐薬品性によりプールや薬品槽に採用されたりもします。
一戸建てでも使われますが、バルコニーのような小さな面積の場所となります。
硬質がゆえに挙動に追従しにくく、屋上などの広い面積で使われると割れなど
防水層の破断に繋がるため不向きとされます。
コスト的にはシート防水やウレタン防水に比べると高くなります。
洗浄→ケレン・清掃→下地調整→プライマー塗布→(防水用ポリエステル樹脂塗布(硬化剤を規定量調合し、攪拌・混合したもの以下同じ))
→ガラスマット張り付け→防水用ポリエステル樹脂塗布→脱泡ローラーで気泡除去→
(積層の場合彫りエステル樹脂とガラスマットの工程を繰り返す)
→硬化後、ポリシャー、ディスクサンダー等で表面を研磨→清掃・アセトン拭き→トップコート塗布
という施工の流れとなります。
防水用ポリエステル樹脂に着色する場合は、所定のトナーを調合して攪拌・混合する。
その後、硬化剤を規定量攪拌・混合して、刷毛又はローラー刷毛にて均一に塗布します。
樹脂とガラスマットによってできる防水層は(飴色をした)透明なものなので、
樹脂に着色します。
尚、必要ならば立上りの入隅部に面木を取り付けます。
ガラスマットは適宜切断するのですが、ガラス繊維が体に着くと痛痒いので注意。
当然吸い込まないよう対策を講じます。
FRP防水の工法
シート防水、ウレタン防水などと同じように「密着工法」と「通気緩衝工法」があります。
通気緩衝工法は蒸気の通り道となる「通気緩衝シート」を敷きこみ、
下地に含まれる水分を脱気筒(脱気盤)から外部に排出する構造を持つ防水層を形成する工法です。
蒸気が上昇していく性質を利用して、水上(勾配の高い位置)に脱気筒(盤)を設置し、
下地に含まれる水分が蒸発しても、通気緩衝シート内を移動しやがて排出されるため、
水が気化した際に約1700倍にも膨れ上がる蒸気によって防水層がダメージを受けないようにするものです。
密着防水はそうした下地の水分を脱気させる機構を持たないものと考えればわかりやすいでしょう。