下地補修~爆裂補修編~
2022/03/21
爆裂とは何?
爆裂は壁内部の鉄が錆びて体積が増える事で生じる不具合です。
なんじゃなんじゃいきなり。
ゲームの必殺技みたいなものを口走りおってからに・・・。
なんだかキャラもブレとるようじゃしの。
虎の威を借る狐じゃあるまいし、力みすぎじゃ。
同じネコ科かもしらんがちと無理があるまいかの?
はてさて、「爆裂」じゃろ?「爆裂補修」の話をせいっちゅうのじゃろ?
わかったわかった。今回はそれでいこう。
確かに字面を見るとなんとも勇ましい響きじゃが、
これはれっきとした建築用語よ。
壁の中に配している鉄筋なんかが錆びてしまうと体積が増える。
すると壁の中で行き場のなくなった、増加体積分の圧力が
周囲をぽっこり盛り上げてしまう事があるのじゃ。
こうした現象を「爆裂」と呼び、
放っておけばやがてその部分が欠落して穴が空が空いてしまう事もある。
前回話した「欠損」に似ているが、爆裂による穴も欠損の一つと言えよう。
壁内部の鉄が錆びる事によって生じたこうした不具合を特に爆裂と呼ぶわけじゃな。
爆裂補修はどのように行うか?
爆裂補修の手順をご説明致します
ホホホ。こうして一つ一つの事に考えを巡らすことも大切じゃの。
おぬしが言うように錆の対処は必要じゃ。
剥離した部分を直すだけでは根本的な原因が解決されんからのぉ。
錆を落とさず単に蓋をしてしまうような補修方法では、
いずれまた同じように爆裂してしまうことじゃろう。
爆裂補修の手順としては以下のようになる。
不良部を斫る(はつる)→清掃→サビ落とし→さび止め効果のあるプライマー塗布
→左官補修→肌合わせ
やり方は欠損補修に似ておるな。
サビ落としと錆止め材の塗布が加わるくらいが違いかの。
中塗りや上塗りまでする必要はない。その理由は・・いずれまた話す機会もあるじゃろう。
錆はワイヤーブラシなどの道具を使って落とすせばよい。
これは「ケレン作業」と呼ばれる工程になるの。
その後、欠損補修時に使ったユニエポプライマーなどを塗るわけじゃな。
ユニエポには錆止め効果もあるからのぉ。
次に補修用モルタルで穴を埋めて・・・
肌合わせのやり方ついて
左官補修時の注意点と模様付けについて
こらこら、人のセリフを取らんでくれ。
下地補修の一連の作業は次の工程の準備を整えるまでやらんといかんという事じゃな。
ついでに言えば、左官仕上げは気持ちマイナスに仕上げるのがコツじゃ。
肌合わせは周囲の模様に合わせるため、
マスチックローラーという専用のローラーを用いて「パターン」を付けたり、
吹付けタイルで玉吹きを行うのが一般的じゃ。
玉吹きには「吹きっぱなし」と「ヘッドカット」という仕上げ方があるのじゃが、
これまたいずれ・・という事にしようかの。
要はもうひと塗りした結果周囲より盛り上がってしまうとあまりうまくない。
補修用モルタルを周囲と同じ高さに仕上げるよりは、
気持ち凹ませて仕上げた方が、模様付けによって生じる厚みと相まって、
補修後に出っ張らずに済むという事なのじゃよ。
さて次回は、「浮き補修」について話す予定じゃ。
今までは主に塗装面についての補修方法じゃった。
塗装面と言うのは塗装仕上げをする面という事じゃったの。
浮きは塗装面でも生じるのじゃが、むしろタイル面の方がメインと言えよう。
タイル張りのマンションなどでよく行われる「注入工事」が主な内容となる。