打診棒と打診ハンマーを使って下地調査!
2022/06/18
今週初めより横浜市の大規模修繕工事で下地調査が開始されました。
大規模修繕工事では足場架設後まっさきに行われるのが下地調査です。
壁、天井、床、側溝などの不具合を発見し、どのような状態なのかを数量とともに表していきます。
塗装面(天井や腰壁など塗装仕上げのしてある箇所)なら水性マーカーを用い、
タイル面(タイル張りで仕上げられている箇所)ならマスキングテープやチョークを用いて不具合のある個所に直接マーキングをしていきます。
塗装面だとクラック、欠損、爆裂、浮き、脆弱塗膜と言った不具合が考えられます。
この場合例えばクラックだとクラックに沿って線を引き、付近にどのくらいの長さなのかを記しておきます。
クラックでは亀裂の大きさによって「擦り込み工法」、「低圧注入」、「Uカット工法」による補修が行われます。
そこで、色違いの水性マーカーを使って青なら擦り込み、緑なら低圧、赤ならUカットといった具合に、
視覚的にも一目でわかるようにしておくのです。
タイル面だとタイルの割れ、破損による張替え、浮きや陶片浮きにたいする注入工事を施します。
とは言え、塗装面なら水性マーカーで直接書き込んでも塗装すれば見えなくなるのですが、タイルだとそうはいきません。
張替えならまだしも、注入工事だとそのまま残ってしまうからです。
また、予算その他の理由で調査はしたが、今回は除外するというケースでは、
最悪マーキングを消す羽目になってしまうからです。
そこで用いるのはマスキングテープとチョーク(洗い落とせるタイプ)となります。
色違いのマスキングテープを使えば、不具合の内容も可視化できますしね。
さて、導入部分が長くなりましたが、いよいよ写真の説明です。
二枚の写真を連結させておりまして、上半分が「打診棒」を用いてタイル面を調査している様子、
下半分が「打診ハンマー」を用いて塗装面及び防水面の調査をしている様子です。
打診棒は先端が球状になり、かつ伸縮できる構造で背丈より高い所も調査できます。
打診ハンマーは伸縮はできないものの、見た目ハンマーのような調査道具です。打検ハンマーとも言います。
基本的には下地の上を滑らせたり叩いたりして音の違いによって不具合を見極めます。
そして、タイル面に対しては打診棒、モルタル・コンクリートに対しては打診ハンマーを用い事が多いです。