隔て板(へだていた)について詳しく
2022/06/03
隔て板(へだていた)はマンション・アパートなど集合住宅のバルコニーにある、隣戸との境目に設置された間仕切りの事を指します。
パーテーション・仕切り板とも呼ばれ普段はプライバシー保護の役割を果たしますが、
非常時には避難経路を確保するためにこれを破り隣戸へと移動します。
強風では壊れないものの蹴破れる程度の強度で、一般にケイカル板(けい酸カルシウム板)あるいはフレキシブルボードでできています。
とは言え、大規模修繕工事で各工種着工前にバルコニーを確認すると、ひび割れたり、穴が空いている事もあります。
設置当初はそれなりの強度があったものの、経年劣化で脆くなり、破損してしまうのでしょう。
集合住宅では各階のバルコニーに避難ハッチが設置されています。
これは階下への非難を目的として梯子(はしご)が収納された器具なのですが、
全戸にあるわけではないため、設置された世帯への移動経路を確保するためにいざと言うとき蹴破れるものにしているのです。
角部屋では1枚だけですが、中間にある世帯では二枚設置されていて、二方向への経路が確保されている事になります。
隔て板は両面に上記のような表示がされています。
非常時にこれを破る事、そして非常時に移動できないなんて事がないよう荷物でふさがない事を注意喚起しています。
バルコニーは洗濯物を干したり、鉢植えやプランターを置いたりするなど日常生活を送る上で欠かせないスペースです。
けれども、ここが避難経路にあたるという事を頭の片隅にでも置いておいてくださると幸いです。
時々不用品などの荷物でごった返している住戸も見受けられるのですが、
非常時に他の住民さんも通行する可能性がある事をお忘れなきようお願い致します。
さて、マンションの大規模修繕ではこのパーテーションも塗装します。
新築時には上記文面が焼き付けてあるのですが、塗装してしまえば見えなくなってしまいます。
そこで、多くの場合上記文章のステッカーを張り付ける事となります。
位置を揃え、まっすぐに貼っていくのも現場監督の仕事の一つなのです。