寒色と暖色について詳しく
2022/05/31
赤・黄・オレンジなど暖かく感じられるものを暖色(暖色)、
青・青緑・青紫など寒い感じを与える色の事を寒色(かんしょく)、
緑・黄緑・紫・赤紫など暖色、寒色どちらにも属さないものを中性色(ちゅうせいしょく)と言います。
色は視覚を通して、遠近感覚や見え方の大小にも影響を与えます。
一見法則性のない街の色彩が実はこうした効果を考慮に入れて設計されものである事も多いものです。
今回は暖色、寒色それぞれの特徴について掘り下げてみます。
暖色について
赤・黄・オレンジなど暖かみのある暖色系の色彩は明度(めいど)・彩度(さいど)が高く、
実際よりも大きく(膨張して)見える事から膨張色(ぼうちょうしょく)、
さらに、より近くに(進出して)見えるため、進出色(しんしつしょく)とも呼ばれます。
明度は色の属性のひとつで、その色の明暗の度合いの事です。
明度が高くなるほど明るく白に近づき、低くなるほど暗く黒っぽさが増します。
彩度は色の鮮やかさや強弱を示す度合いの事で、高いほど鮮やか低いほどくすんでいます。
暖色はこのようにより大きく・より近くに見える効果があり人目を引く目立つ色という事になります。
注目を引きたい部分をフォーカスしたり、より活動的に見せたい時に意識して使ってみてはいかがでしょうか。
外壁塗装でアイボリーやライトグレー系の色が好まれるのは、家を広く見せたり、温かみを感じさせる効果があるからなのでしょう。
ただし、暖色は交感神経に作用し、心拍数を上げ気分を高揚させる効果があるとされ、興奮色(こうふんしょく)とも呼ばれます。
スペインの闘牛祭りで赤い布を見せて興奮をあおる姿などまさにこれですよね。
元気よく、活動的に行動する場面では有効ですが、安静を求められる場面での使用は不向きと言えます。
寒色について
青・青緑・青紫など寒い感じを与える寒色系の色彩は明度が低く実際より小さく(収縮して)見える事から収縮色(しゅうしゅくしょく)、
さらに、より遠くに(後退して)見えるため、後退色(こうたいしょく)とも呼ばれます。
服装などで使えば小さく引き締まって見え、インテリアで背景に用いれば奥行きを感じさせます。
寒色は視覚的に副交感神経に作用し、興奮を鎮めたり食欲を減退させる効果を持つ事から沈静色(ちんせいしょく)とも呼ばれます。
その為病院など安静が必要な場所で用いられる事も多い色彩です。
また、集中力を高める効果があるため、勉強部屋での使用も有効です。
暖色と寒色はそれぞれ、膨張色と収縮色、進出色と後退色と言った正反対の効果を持ちます。
ですから、配色によって相互に際立たせることもできます。
どうすれば効果が増すのか、あるいは反対に効果が減ずるのか、
そういった事も配色の楽しみです。