シーリング工事の施工手順その2
2022/05/04
シーリング工事の基本的な施工方法やワーキングジョイントと呼ばれる建物の動きへの対処方法について説明した
「シーリング工事の施工手順その1」に続いて、今回はシーリング工事における二つの工法、
即ち、「打ち替え工法」と「打ち増し工法」の施工手順についてご説明します。
打ち替え工法によるシーリング工事施工手順
- カッター入れ・・・目地の両端、サッシ周りだと壁材とサッシを傷つけないようにサッシに沿ってカッターを入れます。
- 既存撤去・・・古くなった既存部を取り除く。目地だとカッターを入れれば案外簡単に取れます。とりずらい時はペンチを使ったり、目地底をヘラやドライバーでこそぐと良いです。
- 清掃・・・目地内部、撤去部周辺をラスター刷毛等を使って清掃します。
- バックアップ材の装填・・・既存部に設置済みの時は不要。撤去の際に一緒に取り除いてしまった場合は新規装填。
- 養生・・・目地やサッシ等をマスキングテープで養生。目地ぴったしではダメです。数ミリずらして「シーリング材が壁材に被るように」養生します。接着力の弱いものを使います。粗面テープを使う職人さんが多いですね。
- プライマー塗布・・・シーリング材と被着面の接着を良好にするため、刷毛等を用いて塗布します。
- シーリング材の練り混ぜ・・・2液タイプでは基材に硬化材を配合し、ミキスターという機械で練り混ぜます。使用直前に行うのが大原則のため、当日使う分を予め用意する事はできません。練り混ぜに15分以上かかるため、作業の進み具合を計算に入れながら休憩時間中に練ったりして、上手に次の使用材料を段取るのがコツです。1液タイプならこの工程は不要。カートリッジをガン器にセットすれば使えます。
- シーリング材の充填・・・専用のガン器にシーリング材を移し、目地幅に合わせてカットしたノズルの先端から目地底に向けてシーリング材を充填します。充填量は多すぎても少なすぎてもダメです。適量を覚えるには慣れが必要ですね。技量が上がればこの工程だけでも仕上がりに近い状態となりますからね。
- ヘラ押さえ・・・ヘラを用いてシーリング材を押えながら仕上げる。現場では目地幅に合わせて加工した幾つものヘラを用意していて、何本もへらをもって作業しています。プロの職人だと自分が使いやすいように自分で加工しているものです。
- 養生はがし・・・養生のためのマスキングテープを剥がします。
打ち増し工法によるシーリング工事の施工手順
打ち増し工法は「増し打ち工法」とも呼びます。
施工手順については打ち替え工法の手順とほぼ同じ。撤去部分がないだけです。
- 洗浄・清掃・・・外壁の塗り替え時なら足場架設後外壁洗浄を行い、シール工事にあたってはラスター等による清掃をして誇り等を除去
- 養生・・・マスキングテープ(粗面テープ)などで養生
- プライマー塗布・・・刷毛等を使って均一に塗布
- シーリング材用意・・・2液タイプなら練り混ぜ、1液タイプならガン器に装填するだけ
- シーリング材の充填・・・専用のガン器で目地幅に合わせてカットしたノズルの先端から目地底に向けてシーリング材を充填します。
- ヘラ押さえ・・・ヘラを用いてシーリング材を押えながら仕上げる。現場では目地幅に合わせて加工した幾つものヘラを用意していて、何本もへらをもって作業しています。
- 養生はがし・・・養生のためのマスキングテープを剥がします。