防水工事とは?どのような工事なのか?
2021/08/04
住宅メンテナンスの項目の一つに「防水工事」というものがあります。
よく似た言葉に「止水工事」というものがあって、
なんだか違いがよくわからないという方も多いかもしれませんね。
ざっくり簡単に説明すると、防水工事は字の通り、水を防ぐ。
つまり、建物への水の侵入を防ぐための工事であり、
雨漏りなどしないように予防するというのが目的となります。
これに対して、止水工事は漏水を止める工事となります。
もうすでに雨漏りしてしまっている状況を改善すべく、雨漏りの原因を取り除く工事です。
止水についてはまたの機会にするとして、本記事では前述の防水工事についてご説明したいと思います。
下地調整
素地を平滑にするための調整
洗浄やケレン・清掃に並んで、縁の下の力持ちともいえる大事な工程となるのがこの下地調整なのじゃ。
修繕工事では見えないところにこそ工事の肝があるとも言っても過言ではないと言えるの~。
ではこの耳慣れない下地調整とは何ぞや?と言うと、読んで字の如く、
これから防水工事を行おうとする素地を「工事するのに適した状態に調整する」という事に他ならない。
この下地調整という工程では
不陸調整や絶縁などと言ったこれまた建築用語特有の分かりにくい言い回しが出てくるのじゃが、
重要じゃからしっかり説明しよう。
不陸調整というのはの~、要は凸凹した所はそのままだと水はけが悪かったり、
例えば大きな穴があればそこに水が溜まってなかなか排水溝に流れていかないという事になってしまう。
そこで、補修用モルタルなどで埋めて、平たんにしてしまおうという事なのじゃよ。
次に絶縁。これは何も「お前とは絶縁じゃ~」と言い捨てるのとはまず違う。
今現在不要な状態となっている下地を強化・変質し、防水層を形成するのに
適した状態にしようというのが主眼なのじゃ。
コンクリート下地だと、炭酸ガスや酸性物質の浸透によって弱アルカリ性だったものが、
徐々に中性化していってしまう。
ここで問題となるのがコンクリート表面の状態や電気的性質となる。
風雨にさらされたコンコクートは劣化が進みもろくなる。その上マイナスの性質を帯びてしまっている。
そこでプラスの性質を持つカチオン系モルタルを使えば高い接着性を発揮し、
強固な下地を作り上げることができるわけなのじゃ。
こうしてしっかりと準備を整えた上で、いよいよ防水層の形成へと進むこととなる。
では次回、防水工事の具体的工程の説明をしよう!